異年齢での活動 子どもの広場

園生活の中での交流

異年齢での関わりから優しさとコミュニケーション力を高めよう!

幼児期は、人間関係の基礎が形成される時期です。
友だちと遊ぶ楽しさが分かり、他者への思いやりの表れである「愛他行動」が見られるのもこの時期からで、年上から年下へが圧倒的に多いものです。

このことからしても、まずは異年齢の子どもとの関わりを通して、自分より年下の友だちに優しくできる心を育て、それを自分の周りのすべての人に対する思いやりに繋げ、人と共存していく力の基礎作りをする為の指導計画を実践しています。

異年齢での活動を実践していく為に、縦割クラスを編成して設定保育を行っていることと生活の様々な場面でも関わる機会を多くする様に配慮しています。

縦割保育

年間10回、異年齢の子どもが一緒に設定保育を受ける時間を設けています。
少子化が進む中で年齢の違う子ども同士の自然な交流の場が失われている為、意図的に確保する必要があると考えています。
年下の友だちにどう接することが適当かを無理なく気づいていける様に保育の進め方を工夫しています。

4月当初

年齢の違いから切る・貼るといった製作活動は難しい。まずはリトミックやふれあい遊びを行って、徐々に環境に慣れさせていく。
その時の子どもの様子を十分に観察し、円滑な関わりができると思われるペアーを作る。

1学期後半

一緒に楽しめる製作を取り入れる。
年少児だけのクラスでは、単純な製作になるが、少し難しい製作でも年長児が手伝いながら仕上げていき、関わりを深める。
年少児は年長児の行動を模倣することで、工夫する力も付いてくる。

2学期

園庭で色々なコーナーを作り、スタンプラリーを楽しむ。

各ペアー毎に相談,協力しながら行動している。

3学期

最後の縦割保育では、ルールのあるゲームや一緒に遊んでくれたお礼などを手紙や絵にして交換している。

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毎日の生活の中での異年齢の関係作り

園生活の中でもペアーで行動する機会を大切にしています。
バス通園の場合、年長児が手を 繋いで年中,年少児を保育室まで連れて行き、帰りも迎えに行っています。
年少の子ども達がだんだんとお兄ちゃん,お姉ちゃんを頼りにしてくる様子がとても微笑ましいものです。
2学期に行うお店屋さんごっこやゲーム遊びでは、年少児は年長児と一緒に買い物に行く様にしていて分からないことを優しく教えてあげている様子が多く見られます。
保育者が教えた訳でもありませんが、年長児は年少児に合わせて腰を曲げたり、膝を付いて目線を下げています。
毎日の積み重ねが子ども達の心情に影響を与えているのが明らかです。
そして、自分が優しくしてもらった経験が良い連鎖を生み出していきます。

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全園児で外遊びを行う

朝,昼食後,降園バス出発前の時間に全園児で外遊びを行っています。

ありふれた活動の様に思われるかもしれませんが、クラス単位ではなく、年齢の違う子ども同士の交流が広がる場として疎かにできない時間です。保育者は、その時間をできる限り取れる様に、雨上がりでも遊具を拭き、水溜まりの水取りをして外遊びに出す様に努めたり、固定遊具以外に毎日跳び箱やマットを用意して環境を整えています。

すると子ども達は自分の好きな活動を選び、クラスや年齢に関係なく遊びの場が広がっていきます。

最近は兄弟が少なくなっていることに加えて、公園や空き地で走り回って遊ぶことが見られなくなりました。
本来、子ども達は大人の目の無い世界で、“ガキ大将”と呼ばれるリーダーを中心に年上の友だちへの接し方、年下の友だちのいたわり方を遊びの中で学び、集団生活の基礎を養っていくものですから、その様な環境を確保できない状況においては園生活の中で意図的に導いていく必要性を感じています。
そして、外遊びの重要性は、人との関わりの中から共存していく力を養うだけでなく、運動機能を高めることや集中力向上にも繋がる大切なものです。

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